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ベランダ・バルコニー

【ベランダー・バルコニー】ウレタン防水とは?メリット・デメリット、施工の流れと費用を解説

2024.05.16

こんにちは!現役の現場監督の福田です。
今回はベランダ・バルコニー防水リフォームより『ウレタン防水工事』について詳しく解説します。1級建築施工管理技士でもある「私がもし自宅のバルコニーにウレタン防水工事をするなら」という視点で今回も紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお山中木材では、基本的に既存の防水方法と同じ仕様で工事をおこないます。既存が「シート」であれば「シート」。「ウレタン」であれば「ウレタン」となります。
その理由としてコストダウンが挙げられます。そのため、下地がそのまま使用できる場合は同じ仕様にすることが多くなっています。ただし、構造材が何かによって適切な工法も変わってきます。例えばFRPは割れやすいので鉄骨造には向かないなど、現場の状況に合わせて最適な工法を判断しています。

FRP防水ついては以下の記事もご覧ください。
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ウレタン防水とは?

ウレタン防水は、ウレタン樹脂を用いた液体防水方法で、建物の屋上やバルコニー、バスルームなど水漏れのリスクがある場所に適用されます。
ウレタン樹脂は現場で液体として塗布され、硬化すると弾力性があり、シームレスな防水膜を形成します。(一枚の薄いゴムのような層になります。)
この防水層は、建物の微小な動きや温度変化に追従し、ひび割れにくいという特性があります。また、施工が比較的容易で、複雑な形状にも柔軟に対応できるため、広く利用されています。

 

ウレタン防水の代表的な2つの工法について

密着工法とは?

用途

主に水の浸入を徹底的に防ぎたい場合に適しています。密着工法はシームレスな防水層を形成し、水漏れのリスクを最小限に抑えます。
屋上やバルコニー、バスルームなど、高い防水性が求められる場所に最適です。

特徴

施工が比較的簡単で、効果が即座に現れます。
気密性が高く、防水層が直接下地に密着するため、水の侵入を強力に防ぎます。

 

通気緩衝工法とは?

用途

建物の湿気や結露が問題となる可能性がある場合に適しています。この工法は通気層を設けることで、内部の湿気を外に逃がし、建物の躯体を保護します。
地下室や湿気が多い地域の建物、木材を多用する建築に有効です。

特徴

通気層によって湿気が逃げやすくなり、結露や腐食のリスクを減らすことができます。
施工がやや複雑で、コストが高くなる可能性があります。

どっちを選択するべき?

<気候と環境>
多雨地域や台風が多い地域では、密着工法による強力な防水性が求められます。一方で、湿気が多く結露が心配される場所では、通気緩衝工法が適しています。

<建物の状況>
新築の場合はどちらの工法も選択しやすいですが、リフォームの場合は既存の建物の状況に応じて適した工法を選ぶ必要があります。

<予算>
密着工法は通常のウレタン防水に比べてコストが低いことが多いですが、長期的な建物の保護を考えると、初期投資が高くなる通気緩衝工法が適切な場合もあります。

最終的には、施工業者と相談し、建物の具体的な条件や将来の使用状況を考慮して、最適な工法を選ぶことが重要です。

ウレタン防水5つのメリットと4つのデメリット

5つのメリット

[1]優れた防水性能
ウレタン樹脂は液体として塗布され、硬化するとシームレスな防水膜を形成します。これにより、隙間なく完全に表面を覆い、水漏れを効果的に防ぎます。

[2]高い柔軟性
ウレタンは非常に柔軟な材料であり、建物の微小な動きや温度変化による伸縮に対しても追従し、ひび割れが生じにくいです。

[3]耐久性
適切なメンテナンスを行うことで、ウレタン防水は長期間にわたってその性能を維持します。多くの場合、10年から15年の耐用年数が期待できます。

[4]施工の柔軟性
ウレタン樹脂は液状で塗布されるため、角や曲がり角、不規則な形状の表面にも容易に適用できます。

[5]速乾性
多くのウレタン樹脂は速乾性があり、施工後すぐに硬化し始めるため、工期が短縮されます。

 

4つのデメリット

[1]初期コスト
ウレタン防水は他の一部の防水方法と比較して初期投資が高い場合があります。

[2]気候条件への依存
ウレタン樹脂の硬化は気温や湿度に影響されます。低温や高湿度の条件下では適切に硬化しない可能性があるため、施工時期の選定が重要です。

[3]専門的な施工が必要
ウレタン防水は適切な厚さで均一に塗布する必要があり、専門的な技術と経験が求められます。適切な施工が行われない場合、性能が十分に発揮されないことがあります。

[4]有害物質の問題
一部のウレタン樹脂には有害な化学物質が含まれている場合があり、施工中に適切な安全措置が必要です。

ウレタン防水はベランダやバルコニーにおける防水性と耐久性を大幅に向上させる選択肢ですが、その利用はコスト、気候条件、施工の品質に注意を払う必要があります。適切に施工されれば、長期的に多くのメリットを享受することができます。

 

ウレタン防水の耐用年数は?

ウレタン防水の耐用年数は、施工の品質、使用される材料の種類、環境条件(日照、気温、湿度など)によって異なりますが、一般的には約10年から15年程度とされています。定期的なメンテナンスや、状態に応じた適切な補修を行うことで、さらに長持ちさせることが可能です。耐用年数を延ばすためには、定期的な点検と必要に応じた再塗布が推奨されます。

 

ウレタン防水の専門業者による施工の流れ

住宅のベランダやバルコニーにウレタン防水を施工する際、専門業者による一般的な作業の流れは以下のようになります。

1.現場調査と見積もり

専門業者が現場を訪問し、ベランダやバルコニーの状態を確認します。
既存の防水層の状態、面積、形状などを考慮して、必要な作業と材料を見積もります。

2.下地処理


既存の防水層や破損がある場合は、それを除去します。
表面の汚れやゴミを徹底的にクリーニングし、必要に応じて下地を平滑にします。
ひび割れや凹凸がある場合は、それらを修復して均一な表面を作ります。

3.プライマー塗布


下地の吸収性を調整し、ウレタン樹脂の密着を良くするためにプライマー(接着促進剤)を塗布します。

4.ウレタン防水層の塗布

指定された厚さと範囲に従って、ウレタン樹脂を層に塗布します。通常はローラーやブラシを使用し、均一に塗り広げます。
ウレタンは一液型または二液型があり、現場の条件や性能要求に応じて選ばれます。

5.補強層の設置(必要に応じて)

特に歩行が予想される場所や、耐摩耗性を高めたい場所には、ファイバーメッシュなどの補強材を埋め込むことがあります。

6.トップコートの塗布


UV保護や色付け、追加の保護層としてトップコートを施工します。これにより耐候性や耐久性が向上します。

7.乾燥と硬化

全ての層が適切に乾燥し、硬化するまで待ちます。この期間中は、ベランダやバルコニーの上を歩いたり、水をかけたりしないようにします。

8.最終検査とクリーニング

施工後、専門業者が防水層の均一性、密着性、完成度を確認します。
最後に、作業場所を清掃し、クライアントに引き渡します。

この流れに従って丁寧に施工されることで、ウレタン防水はベランダやバルコニーを長期間にわたって保護することができます。

工期について

一般的に、10平米のベランダやバルコニーのウレタン防水工事は、3日から5日程度で完了することが多いです。ただし、気象条件やその他の不測の事態によって工期が前後する可能性があります。

 

ウレタン防水の費用の目安


1平方メートルあたりの費用は約3,500円から5,000円程度が一般的です。これには材料費と作業費が含まれます。
費用はいくつかの要因によって異なります。材料の種類、下地の状態、施工現場までのアクセスの容易さ、地域差、および業者による価格設定の違いなどにより異なります。

 

ウレタン防水の保証期間について

住宅のベランダやバルコニーに施工されるウレタン防水の保証期間は、施工業者や使用される材料によって異なりますが、一般的には5年から10年の保証が付くことが多いです。万が一、この保証期間内に問題が発生した場合、業者は無償または低コストで修理や再施工を行う責任があります。
保証の詳細は施工業者との契約時にしっかりと確認し、保証書を保管しておくことが大切です。
また、定期的なメンテナンスが保証の有効性に影響することもありますので、施工業者の推奨するメンテナンスプランもしっかり確認してくださいね。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。

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