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ベランダ・バルコニー

【ベランダー・バルコニー】FRP防水とは?メリット・デメリット、施工の流れと費用を解説

2024.04.30

<当社施工事例>

こんにちは!現役の現場監督の福田です。今回はベランダ・バルコニー防水リフォームよりFRP防水工事について詳しく解説します。1級建築施工管理技士でもある「私がもし自宅のバルコニーにFRP防水工事をするなら」という視点で今回も紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

ベランダ・バルコニー防水リフォームを怠るリスクや工事の最適なタイミング、工事の種類については以下の記事もご覧ください。
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FRP防水とは?

FRP防水とは、「Fiber Reinforced Plastic」の略で、繊維強化プラスチックを意味します。主に屋根やバルコニー、ベランダなどの防水層に用いられる素材で、樹脂と繊維を組み合わせて作られています。

FRP防水4つの特徴

高い防水性能 FRPは非常に密閉性が高く、水の浸入を防ぎます。
耐久性 樹脂と繊維の組み合わせにより、耐候性と耐久性が向上します。
軽量 比較的軽量であり、既存の構造に大きな負担をかけることなく設置が可能です。
施工の柔軟性 液状で施工されるため、形状が複雑な箇所にも適切にフィットします。

FRP防水を採用するメリット、デメリット

メリット

[1]カスタマイズ性
色や仕上げのバリエーションが豊富で、外壁の色などに合わせすいですよ。

[2]即時使用可能
硬化時間が比較的短いため、施工後すぐに使用を開始できることが多いです。

[3]メンテナンスのたやすさ
表面が滑らかで汚れが付きにくく、清掃が容易です。

 

デメリット

[1]コスト
FRP防水は他の防水方法に比べて初期コストが高い場合があります。

[2]専門的な施工が必要
適切な施工を行うためには、専門的な技術が必要です。技術者の質によっては、施工後の品質にバラツキが出ることがあります。

[3]紫外線による劣化
長期間の紫外線暴露により、FRPは劣化する可能性があります。これを防ぐために、UVカットの処理が必要になることがあります。

[4]施工時の雨対策の必要性
改修工事では防水層をめくり作業をおこなう場合があります。防水層を取り除いた状態で雨にさらされると、水が建物内部に侵入し、内部の構造や仕上げ材料に対して損傷を与えることがあります。
雨が予想される日は防水層の取り外し作業を避ける、あるいは適切なカバーで保護するなどの計画を立てることが重要です。
雨季を避けて工事計画を立てることが理想的ですよ。

FRP防水はその耐久性と防水性能から、ベランダやバルコニーなど、特に雨水の浸入を防ぐ必要がある場所での使用に適しています。しかし、リフォームを検討する際には、コストや保守管理の観点からも適切な選択を行うことが重要です。

 

FRP防水リフォーム後の耐用年数は?

FRP防水の耐用年数は、施工品質、使用される材料の種類、環境条件、メンテナンスの頻度によって大きく異なりますが、一般的には約10年から20年程度とされています。

 

FRP防水リフォームの施工の流れ

以下はFRP防水をプロの施工業者に依頼した場合の一般的な施工の流れです。

1. 下地処理


<清掃>
対象となるベランダやバルコニーの表面のほこり、汚れ、既存の防水材などを徹底的に除去します。

<補修>
クラックや剥がれなど、破損している部分は適切に修復します。これは防水層の密着を保証し、将来的な問題を避けるために重要です。

<下地調整>
下地が平滑であることを確認し、必要に応じてレベリング材を使用して表面を整えます。

 

2. プライマー塗布


<プライマー処理>
下地にプライマーを塗布し、FRP樹脂の密着を良くします。この工程は樹脂が下地にしっかりと結合するために不可欠です。

 

3. FRP樹脂と繊維の塗布

<樹脂と繊維の層作り>
FRP用の樹脂とガラス繊維(またはその他の繊維)を交互に重ねて塗布します。繊維は通常、ローラーやブラシを使用して樹脂と共に広げられます。

<硬化>
塗布した樹脂が硬化するのを待ちます。この硬化時間は、使用する樹脂の種類や気温によって異なります。

 

4. 仕上げ


<トップコート塗布>
UV保護層や色を付けるトップコートを施します。これにより、FRP防水層の耐候性と見た目が向上します。

<清掃と検査>
全体を清掃し、施工された防水層の検査を行います。この段階で、漏れや未硬化の樹脂がないか確認し、必要に応じて修正を行います。

 

5. 硬化と完了


<完全硬化>
すべての層が完全に硬化するのを待ちます。完全硬化後、防水層は通常の使用に耐えることができます。

FRP防水の工事期間は、プロジェクトの複雑さ、天候、施工業者のスケジュールなどの要因により異なりますが、10平米の比較的小規模な面積の場合、一般的な工期は1日〜2日です。

 

FRP防水リフォームの費用について


以下はバルコニー面積10平米の一般的な費用です。
※FRP防水のリフォーム費用は、施工業者、使用される材料の種類、地域の市場状況、その他の工事条件によって大きく異なることがあります。

費用の目安

約20万円から30万円(1平米あたり約20,000円から30,000円)

これらの費用には、下地処理、プライマー塗布、FRP樹脂と繊維の層の施工、トップコートの塗布、および必要な工事の完了検査が含まれています。また、特別なデザインや色、UV保護の追加、構造的な問題への対処が必要な場合、さらにコストが上がることがあります。

 

FRP防水の保証について

保証期間は?

一般的にFRP防水の保証期間は5年程度とされていますが、これは施工業者や使用される材料によって異なる場合があります。保証の長さや条件は、メーカーの保証規定に依存します。

 

保証の範囲について

保証は通常、材料に欠陥がないことを前提としており、正しい施工方法が適用された場合に限定されます。これには、使用される樹脂や繊維の質が保証されることが含まれます。

 

下地の状態により異なる

既存の下地の状態は保証の適用に大きな影響を与えます。例えば、下地に亀裂や他の損傷がある場合、これらの問題が保証の対象外になることが一般的です。そのため、保証が適用されるかどうかは、下地の状態に応じて個別に検討される必要があります。

 

保証書について

保証書は、施工された防水層が材料の不備によるものではない限り、保証されるという条件付きで提供されます。保証内容が具体的に文書化されているかもしっかり確認してくださいね。

 

保証期間の相談

既存の下地に問題がある場合、保証期間については施工業者との間で特別な合意が必要になる場合があります。こういった場合は、どのような条件下で保証が適用されるかを明確にする相談をしてくださいね。
保証に関する詳細は、常に施工契約の一部として正確に定義されるべきであり、施工前にすべての条件を確認し、文書化しておくことが重要ですよ。

 

まとめ

FRP防水のリフォームを検討する際は、数社の見積もりを取ることをお勧めします。これにより、最もコスト効率の良い業者を選ぶことができます。また、施工業者の評判や過去の施工例を確認することも、質の高いリフォームを保証するために重要です。最も安い見積もりに飛びつくのではなく、本記事に記載の内容など、提供されるサービスの質とコストのバランスも考慮してくださいね。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。

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