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[屋根リフォーム]屋根のカバー工法(ガルバリウム鋼板)のメリット・デメリットを現役の現場監督が分かりやすく解説

2024.02.29

こんにちは!現役の現場監督、工務部の福田です。
今回は屋根リフォームより、主にはカラーベスト屋根などの劣化に伴い、ガルバリウム鋼板屋根材を重ねるカバー工法について分かりやすく解説していきます。
1級建築施工管理技士でもある「私がもし自宅の屋根をリフォームするなら」という視点で紹介していきますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。

屋根リフォームの『カバー工法』とは?


カバー工法は、屋根リフォームの手法の一つで、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置する工事方法です。この方法は、以下のような特徴があります。

カバー工法5つの「メリット」

①既存の屋根を撤去しない

既存の屋根材を取り除く必要がないため、工事期間が短くなり、工事コストを抑えることができます。また、廃材の処理が不要なため、環境にもやさしい選択肢となります。
特にアスベスト入りのカラーベストの場合は撤去費用が上がるため、当社のお客様ではカバー工法を選択されるケースが多くなっています。

 

②施工速度が速い

既存の屋根材の上に新しい材料を重ねるだけなので、工事にかかる時間が短縮されます。その結果、施工期間中の生活への影響が少なくなります。

 

③防水性の向上

新しい屋根材の追加時には、防水シート(ルーフィング)を貼るため防水性が向上します。これにより、雨漏りのリスクを減らし、屋根の耐久性を高めることができます。

 

④断熱性の向上 ※


(出典:ニチハ株式会社)

屋根材を重ねることで、断熱材の層を増やすことが可能になり、断熱性が向上します。これは、冷暖房の効率を高め、エネルギーコストを削減するのに役立ちます。
※当社で採用している『横暖ルーフS(ニチハ株式会社)』等、断熱材も入っている製品(屋根材)の場合

 

⑤見た目を一新できる

新しい屋根材を重ねることで、家の外観を一新できます。さまざまな材料や色から選べるため、リフォームを機に家の外観を変えたい場合にも適しています。

ただし、カバー工法はすべての屋根に適用できるわけではありません。既存の屋根の状態や構造、重さに耐えられるかどうかなど、事前の詳細な調査が必要です。また、既存の屋根が大きく傷んでいる場合は、カバー工法ではなく、全面的な屋根の交換が必要になることもありますよ。

 

カバー工法5つの「デメリット」

カバー工法は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解することは、屋根リフォームを検討する際に重要です。

①既存の屋根の問題を隠す

カバー工法では、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねます。これにより、既存の屋根に問題がある場合(例えば、構造的な問題や腐食など)それを解決せずに覆い隠してしまうことになります。結果として、将来的に大きな問題に発展する可能性があります。

 

②重量問題

新しい屋根材を追加することで、屋根全体の重量が増加します。建物の構造が追加の重量に耐えられるかどうかを事前に確認する必要があります。耐えられない場合、構造的な強化が必要になることがあり、これは追加のコストを意味します。

 

③通気性の問題

カバー工法による屋根材の重ね合わせは、屋根の通気性を低下させる可能性があります。この問題を解決するために、一般的には通気棟などを施工し通気をおこないます。しかし万が一、こういった対策を取らずに工事を進めてしまうと、結露が発生しやすくなり、木材の腐食やカビの発生を引き起こす原因となることがあります。

 

④コストが予想より高くなる場合がある

初期の見積もりではコストが抑えられるように見えるかもしれませんが、構造的な補強が必要になったり、隠された問題が後になって明らかになったりすると、最終的なコストが予想を上回ることがあります。

 

⑤既存の屋根材の状態が見えなくなる

一度カバー工法で屋根を覆ってしまうと、既存の屋根材の状態を確認することが困難になります。将来的に問題が発生した場合、原因の特定が難しくなる可能性があります。

これらのデメリットを適切に評価し、建物の現状と将来を考えた上で、カバー工法が最適な選択肢かどうかを検討することが重要です。メリットの最後にもお伝えしましたが、場合によっては、全面的な屋根の交換がより適切な選択肢となることもあります。

 

『葺き替え工事』との違いについて


屋根リフォームには主に「カバー工法」と「葺き替え工事」の二つの方法がありますが、これらは異なるアプローチを取ります。それぞれの主な違いを以下になります。

カバー工法 既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置する工事方法。
既存の屋根が比較的良好な状態で、追加の重量に耐えられる構造である場合に適している。
葺き替え工事 既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材で全面的に葺き替える工事方法。
既存の屋根が大きく損傷している、または構造的な問題がある場合に適しています。また、屋根のデザインを大幅に変更したい場合にも選ばれる。

主な違い

工事の範囲と期間

葺き替え工事は全面的に既存の屋根を新しいものに交換するため、工事の範囲が広く、期間も長くなります。一方、カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるだけなので、工事期間が短縮されます。

 

コスト

葺き替え工事は全面的な交換となるため、カバー工法に比べてコストが高くなる傾向があります。

 

対象となる屋根の状態

葺き替え工事は既存の屋根が大きく損傷している場合や、構造的に問題がある場合に適しています。カバー工法は、既存の屋根が比較的良好な状態で、追加の重量に耐えられる場合に適しています。

選択する方法は、既存の屋根の状態、予算、求める耐久性やデザインの変更など、複数の要因を考慮して決定してくださいね。

 

 

屋根カバー工法が適用できない屋根材とは?

カバー工法が適用できない、または適用が難しい屋根材はいくつかあります。その中でも特に注意が必要なのは以下のようなケースです。

瓦屋根


伝統的な瓦屋根は、重量があり、特定の構造的支持を必要とします。既存の瓦屋根の上に新しい屋根材を重ねることは、構造的に困難であるか、建物に過度の重量負担をかける可能性があります。また、瓦は通気性や排水の特性が特殊であり、単純にカバー工法を適用することでこれらの性能が損なわれる可能性があります。

 

金属屋根


主にはトタン、アルミ、ステンレス、銅板、チタン。ガルバリウムが金属屋根になります。既存の金属屋根の下に適切な通気層や断熱層がない場合、カバー工法でのリフォームが推奨されないことがあります。金属屋根の上に直接新しい屋根材を設置すると、結露の問題が発生する可能性があります。

 

スレート屋根

スレート屋根もまた、その特性上、カバー工法を適用するのが難しい場合があります。スレートは重く、既存の屋根構造が新しい屋根材の重量を支えられるかどうか検討が必要です。また、スレート屋根は年月とともに劣化しやすいため、損傷が進んでいる場合は、屋根の完全な葺き替えが推奨されます。

これらの屋根材にカバー工法を適用する際は、慎重な検討と専門家のアドバイスが必要です。特に、建物の構造的健全性を損なわず、長期的な耐久性と性能を確保できるよう、適切な方法を選択することが重要になりますよ。

 

屋根カバー工法の費用目安は?


屋根カバー工法の費用は、いくつかの要因によって大きく変動します。これらの要因には、屋根の面積、使用する材料の種類、地域による工賃の違い、屋根の形状や傾斜、リフォーム会社から現地までのアクセスのしやすさ、追加作業(断熱材の追加、防水層の強化など)の有無が含まれます。そのため、具体的な費用を一概に言うことは難しいですが、一般的な目安を以下に示します。

費用の目安

概算費用

屋根カバー工法の費用は、一般的には既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねることになるため、葺き替え工事に比べて安価になる傾向があります。日本国内での大まかな費用の範囲は、数十万円から数百万円程度となります。小規模な住宅であれば、100万円未満で可能な場合もありますが、屋根の広さや材料のグレードによってはそれ以上になることもあります。

 

費用を左右する主な要素

屋根材の種類

今回はあくまで金属製のガルバリウム鋼板の屋根材を想定してお話していますが、合成樹脂製の屋根材、セラミック製の屋根材など、選択する材料によって価格が大きく異なります。耐久性やメンテナンスの容易さ、外観など、材料ごとの特性を考慮する必要があります。
私、福田がリフォームするならガルバリウム一択です。

 

屋根の面積と形状

屋根の面積が広ければ広いほど、また、屋根の形状が複雑で作業が困難な場合は、それだけ費用が高くなります。

 

追加作業の有無

屋根の断熱や防水機能を向上させるための追加作業が必要な場合、それらの作業にかかる費用も考慮する必要があります。

 

地域差

工事を行う地域によっても工賃が異なるため、地域によって費用が変わることがあります。

見積もりの重要性

実際の費用を知るためには、複数のリフォーム会社や屋根工事業者に見積もりを依頼することが重要です。見積もりを取る際には、工事の範囲、使用する材料、完成までの期間、保証内容などを明確にしておくことが望ましいです。これにより、予算に合った適切な工事プランを選択することができますよ。

 

屋根カバー工法におけるリフォーム会社選びの注意点


屋根カバー工法におけるリフォーム会社の選び方には、いくつかの重要な注意点があります。適切な業者選びは、工事の品質、コストの適正化、そして将来的なトラブルの回避に直結します。以下に主なポイントを挙げます。

実績と評判の確認

豊富な実績

屋根リフォームの経験が豊富な会社を選ぶことが重要です。特にカバー工法の実績があるかどうかを確認しましょう。

 

評判の確認

オンラインのレビューや評価、口コミをチェックすることで、実際の顧客の声を聞くことができます。地元の業者であれば、地域内での評判も参考になります。

 

専門性と技術力

専門知識

カバー工法に適した材料の選定や施工方法について、適切な提案ができるかどうかがポイントです。

 

技術力

屋根の状態を正確に診断し、問題点を明確に指摘できる技術力が求められます。また、施工後のメンテナンスやアフターサービスについても確認しておきましょう。

 

見積もりの明確さと適正価格

見積もりの詳細

工事内容、使用材料、工期、費用の内訳などが明確に記載された見積もりを提供しているか確認しましょう。

 

価格の妥当性

複数の業者から見積もりを取り、価格と提案内容を比較します。安すぎる見積もりには注意が必要ですが、過度に高額な見積もりも避けたいところです。
もしカラーベスト屋根からガルバリウム鋼板の屋根材へのカバー工法をおこなう際の費用の目安として1坪あたり3万円~5万円を参考にしてみてください。(足場、ルーフィング、板金工事、諸経費込み)

 

契約内容と保証

契約書の確認

工事内容、完成予定日、支払条件などが契約書に明記されているかを確認しましょう。不明瞭な点があれば、契約前に解消しておくことが大切です。

 

保証体制

工事に関する保証(完成保証、材料の保証など)がどのように提供されるかも重要なポイントです。保証期間や保証内容をしっかりと確認しておきましょう。

 

コミュニケーションのしやすさ

相談しやすさ


工事前、工事中、工事後の各段階でスムーズにコミュニケーションが取れるかどうかも重要です。担当者とのLINE交換ができるなど、相談や質問に対して適切かつ迅速に対応してくれる業者を選ぶことが望ましいですよ。

 

地元密着型かどうか

地元の業者

地元で長く営業している業者は、地域の気候条件や屋根材に関する知識が豊富であることが多く、信頼性が高い場合があります。

これらのポイントを踏まえ、複数のリフォーム会社や屋根工事業者との比較検討を行い、最適なパートナーを選ぶことが重要です。

 

屋根カバー工法の代表的な施工手順


屋根カバー工法の施工手順は、概ね以下のステップに分けられます。この方法では、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて設置するため、全面的な葺き替えに比べて工期が短く、コストも抑えられることが一般的です。ただし、施工の詳細は使用する屋根材の種類や既存の屋根の状態によって異なる場合があります。

①現状調査と計画
現場調査 既存の屋根の状態を確認し、屋根カバー工法が適用可能かどうかを評価します。この段階で、屋根の傾斜、材質、損傷の程度などを調べます。
計画 工事の詳細計画を立てます。使用する新しい屋根材の種類、色、形状などを決定し、工期とコストの見積もりを作成します。

 

 

②下準備
既存屋根の清掃 屋根の表面を清掃し、瓦やシートの破損部分を確認します。必要に応じて修理や調整を行います。
屋根材の検査と修正 既存の屋根が新しい屋根材を支えるのに十分な強度があるかを確認します。損傷が激しい場合は、部分的な補修が必要になることもあります。

 

③防水・通気層の設置
防水シートの設置 屋根の上に防水シートを敷き詰めます。これにより、雨水の浸入を防ぎます。
通気層の確保 必要に応じて、通気路を確保するためのスペーサーや通気シートを設置します。これにより、屋根内の結露を防ぎ、断熱性を向上させます。

 

④新しい屋根材の設置
屋根材の敷設 新しい屋根材を既存の屋根の上に重ねていきます。この工程では、精密な位置合わせと固定が重要になります。
細部の仕上げ 端部や隅などの細部を丁寧に仕上げます。防水性と見た目の美しさを確保するための工程です。

 

⑤最終検査と清掃
検査 施工後には、屋根全体の検査を行い、防水性や固定の確実性を確認します。
清掃と完成 工事に伴う残材やゴミを清掃し、施工完了です。最後に、施主と一緒に最終的な確認を行い、問題がなければ工事は完了となります。

施工手順は、使用する屋根材や具体的な状況によって細かな変更があるかもしれませんが、上記のステップは屋根カバー工法における一般的な流れを示しています。専門の業者による正確な現場調査と計画立案が、成功への鍵を握りますよ。

 

まとめ

カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねるリフォーム手法で、工期の短縮とコスト削減が可能です。しかし、既存の屋根の構造が新しい屋根材を支えられる強度を持っているか、防水性や通気性が確保できるかの事前調査が重要です。適切な材料選定と専門業者による正確な施工が成功の鍵を握ります。

この記事を書いた人

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

福田 雄一郎[現場監督/1級建築施工管理技士]

工務部では部長としてリフォームを中心に現場管理をメインに担当しています。本ブログでは「私自身がリフォームをするのであればこうする」という視点でみなさまに役立つ情報を紹介していきます。よろしくお願いいたします。

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