TOP >リフォームお役立ちブログ一覧 > 雨漏りから家の劣化につながる外壁の「目地(コーキング/シーリング)」のひび割れを放置しないで!
2024.04.01
こんにちは!現役の現場監督の福田です。
今回は外壁の「目地(コーキング/シーリング)」のひび割れを放置するリスクと対策をご紹介します。
雨漏りと言えば屋根とイメージされるかも知れませんが、外壁からも雨漏り(水漏れ)します。またそれを放置しておくと家の劣化。そして莫大なメンテナンス費が発生と悪循環になってしまうため注意が必要です。
補修する方法の中では、1級建築施工管理技士でもある「私がもし自宅の外壁をメンテナンスするなら」という視点で紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
※目地・コーキング・シーリングは同じです。以下コーキングに統一し解説しますね。
目次
主な原因として以下が考えられます。
これらを防ぐためには、定期的なメンテナンスと適切な材料の選択、そしてプロの施工が重要です。また、ひび割れが発見された場合は、早期に修理を行うことがポイントですよ。
コーキング材は時間が経つと劣化し、柔軟性を失って硬化します。これにより、外壁の微小な動きや温度変化に追従できず、ひび割れが生じることがあります。特に紫外線(日光)がよく当たる面からひび割れが起きていきます。
外壁は日照や気温の変化により膨張・収縮を繰り返します。コーキング材がこれらの動きに対して十分な伸縮性を持たない場合、ひび割れや剥がれが起こりやすくなります。
コーキングの施工時に十分な注意が払われなかった場合、例えば、基材の清掃が不十分であったり、適切な材料を使用していなかったり、適正な厚さで施工されていなかったりすると、将来的にひび割れが起きる原因となります。
<出典:サンライズ株式会社>
使用されるコーキング材が建物の材質や用途に適していない場合、劣化が早まったり、適切に機能しなかったりします。例えば、外壁材によっては特定のコーキング材が推奨される場合があります。
山中木材では以下のコーキング剤を推奨しています。
【プロの一択】SRシールS70(サンライズ株式会社)
特徴は以下のブログの中でも紹介しています。
【関連記事】外壁材「窯業系サイディング」のメンテナンス方法を現役の現場監督が分かりやすく解説
建物に何らかの物がぶつかるといった物理的な衝撃が加わったり、強風や地震などで外壁が大きく動いたりすると、コーキングに亀裂が入ることがあります。
ひび割れから水が浸入すると、内部の構造材を損傷させる原因になります。水漏れは腐食やカビの成長を促し、建物の耐久性を低下させます。また、腐食した木を好むシロアリの原因にもなります。
なお、内部に水が浸入しても建物によっては外壁の内側に防水紙が貼ってあるのですぐに漏れると言うことではありません。
コーキングのひび割れは、建物の断熱性や気密性を低下させる可能性があります。これにより、冷暖房の効率が悪くなり、光熱費の増加につながることがあります。
水分が建物内部に侵入しやすくなると、カビや藻が発生しやすくなります。これらは建物の耐久性への影響に加えて、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ひび割れやその他の損傷は、建物の外観を損ないます。見た目の問題は、建物の価値を必要以上に下げる可能性があります。
初期の小さなひび割れを放置すると、時間と共に悪化し、より広範囲にわたる修理が必要になることがあります。結果として、修理費用が大幅に増加する可能性があります。
早期発見と修理は、これらのリスクを最小限に抑え、建物の寿命を延ばす重要なステップです。定期的な検査とメンテナンスを行うことで、コーキングのひび割れを効果的に対策できますよ。
コーキングのひび割れを補修するには、一般的に以下の手順でおこないます。このプロセスはDIYも可能ですが、より複雑なケースや高所での作業は足場を組む必要もある上、危険も伴うため専門業者に依頼することをお勧めします。
必要な材料・道具
※その他、高所の作業では足場も必要になります
以下は一般的な補修方法です。足場の設営工程などは割愛しています。
ユーティリティナイフやコーキングリムーバーを使用して、損傷したコーキング材を丁寧に取り除きます。この時、基材を傷つけないように注意が必要です。
取り除いた部分をワイヤーブラシやスクレーパーでよく磨き、古いコーキング材の残骸を完全に除去します。その後、アルコールまたは専用クリーナーで表面を清掃し、グリースや汚れを取り除きます。
必要に応じて、プライマーを塗布して下地を整えます。これは新しいコーキング材の接着を良くするために役立ちます。
マスキングテープを使って、コーキングを施す範囲を両側から覆います。これは仕上がりをきれいに保つためです。
コーキングガンを使って、新しいコーキング材をひび割れ部分に均等に充填します。コーキング材が出すぎないように注意し、均等に施工してください。
コーキング材を塗布した直後に、濡れた指やスプーン、専用のツールを使って表面を滑らかに仕上げます。この工程でコーキング材をしっかりと密着させ、余分な部分を取り除きます。
コーキング材が乾く前に、マスキングテープを慎重に剥がします。
製品の指示に従って、コーキング材が完全に乾燥するまで待ちます。乾燥時間は製品によって異なります。
この手順を通じて、コーキングのひび割れを効果的に補修できます。定期的な検査とこのようなメンテナンスを行うことで、建物の損傷を防ぎ、長期間にわたってその価値を維持することができますよ。
ひび割れの補修を専門業者に依頼する際の費用は、作業の範囲、ひび割れの程度、使用する材料、および地域によって大きく異なります。記載内容はあくまで費用の目安ですので、正確な見積もりを得るためには、実際に業者さんに相談してくださいね。
小さなひび割れは修理が比較的簡単で費用も低く抑えられますが、広範囲にわたるひび割れや深いひび割れはより高額になります。
補修が必要な範囲が広いほど、費用は高くなります。
アクセスの難易度: 高所やアクセスが難しい場所のひび割れ修理は、追加の安全対策や特殊な機材が必要となり、費用が増加します。
労働力のコストは地域によって異なるため、地域によっても費用が変動します。
数千円から数万円程度。小さなひび割れや限定的な範囲の修理が含まれます。
コーキングの打ち替え(小規模) | 900〜1,500円/m ※足場、高所作業なし |
数万円から数十万円程度。より広範囲のひび割れや複数箇所の修理、または高所での作業が含まれます。
コーキングの打ち替え(中〜大規模) | 900〜1,500円/m ※足場、高所作業あり |
これらの価格はあくまで目安であり、実際の見積もりは業者によって異なります。複数の業者から見積もりを取得し、費用、提案される修理方法、業者の評判や過去の実績を比較検討することが重要です。また、見積もりを取る際には、作業内容、保証の有無、完成までの期間なども確認しておくと良いでしょう。
当社で外壁メンテナンスをされるお客様の大多数はコーキングに加えて、塗装も合わせて施工されます。それによりコーキングの打ち替えに限定すると費用としては割高になってしまいますが、以下一例としてご参考ください。
価格例/延床面積30坪として算出
※家、土地の形状により変動します。
■足場:約230,000円
■コーキング打ち替え、軒天増し打ち:約260,000円
■外壁塗装(シリコン塗装):約900,000円
[屋根、軒天、外壁、樋(とい)、破風板、雨戸、シャッター]
※その他、諸経費や消費税が発生します。
※カーポート、サイクルポート等があれば足場設置のため屋根ポリカを脱着したりします。エアコンの室外機も施工箇所にあり浮かせられない場合は脱着します。これらのような別途工事は現場によりさまざまです。
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